dimanche 29 juin 2008

知者と賢者

"Adolphe Franck" (1878)


離れて日本を見る
どこもかしこも儲かるか儲からないかの枠組みしかない貧しさだ
もはや すべての人にこれが組み込まれているかのように
しかも その意味を疑うことがない
あるいは その枠の中にいることさえ気付いていない

フランスで哲学を学び始めて 何かのためではなく
 そのもののためだけに考えることがありうることに驚く
その態度を知ってしまうと それ以外が浅いものに変わって行った

枠組みを取り払って考える
この過程を経ないところからは 何も見えてこないだろう
それは生きる術ではなく 生の理解にわれわれを導く


ある人が思想を語る
それを聞く
その時 その思想がどれだけその人の体から出ているのか
どれだけその人の生と繋がっているのか
その結びつきが見えない時 その話は全く残らない 伝わらない

知識ではなく智慧
知識を統合したところの智慧
これが人を動かすのだろう
どの分野にも欠けているのが深い智慧
今求められるのが 知者ではなく賢者である所以だ

ひょっとすると私のどこかに賢者への憧れがあったのかもしれない
そこに辿り着くためには ある領域を抜け出たところでしか手に入らない何か
その何かを求める旅に出なければならないとでも思ったかのようである



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