dimanche 13 juillet 2014

パリから見えるこの世界 (18) ペスト菌発見者アレクサンドル・イェルサンという人生と北里柴三郎



雑誌 「医学のあゆみ」 に連載中の 「パリから見えるこの世界」 の第18回エッセイを紹介いたします

ご一読、ご批判いただければ幸いです

 « Un regard de Paris sur ce monde »  

医学のあゆみ (2013.7.13) 246 (2): 201-205, 2013







mercredi 2 juillet 2014

哲学者とは

Saint Bonaventure
Peter Paul Rubens (1577-1640)


 こちらに来る年の初め、御茶ノ水駅に差し掛かった時、以下のテーゼが頭に浮かび、控えた


 これは個人の生のレベルの問題である

こちらに来てからもう一つのレベルが加わっている

それは、人類の遺産の総体とともに生きるという感覚である

もちろん、その全体に迫ることは不可能だろう

しかし、意識の上では二千数百年の人類の遺産を自分の横に携えて生きようとしている


今日、アルチュセールの『非哲学者に向けた哲学入門』という本に同じような一節を発見した

より正確には、その一節を読み、過去が蘇ったのである


科学者は一度何かが分かったら、そのことは捨て去ってどんどん先に行く

しかし、哲学者は過去の哲学者をいつも読み直すという

一度読んだからといって終わることはなく、何度も何度も読み返すのが哲学者だという


こちらに来て出遭った言葉に、「哲学とは解決済みの問題についての科学である」というのがある

レオン・ブランシュヴィックの言葉で、読んですぐにピンときた

科学は解決したものに戻ることはなく、その先に何かを組み立てていくからである

一方の哲学は、いかに偉大な哲学者が挑んだ問題だとしても、その問題は依然としてそこにある

なぜか勇気が湧いてくる言葉でもあった

アルチュセールの「哲学者の人生は人類の遺産の中に生きること」という言葉がよく分かるようになっている

それは過去に生きることだが、その中にいる時には時間や歴史が消えているという逆説もある

そこに、遺産が時を超えて一つの平面に並べられているというイメージを見る

こちらでの時間の中で、この感覚もよく分かるようになった

ただ、過去の哲学者の書を読み、そして読み返すということをはっきりと意識してはいなかったように思う
 
これから先の一つの道標になりそうである